ゼミナール

2020. 07. 28

 

今日はM1の四人が発表しました。主な内容は今後の研究計画及び前期終了後の時間の使い方についてでした。宇ノ木さんはドイツのホロコースト教育の研究への意気込みを語りました。ホロコースト教育について研究する背景として,自国にとって都合が悪い歴史をいかに教えるのかについて示唆を得ることを目的に語ってくれました。私は社会科教育を目指す大学生の入学ギャップとその解消過程の研究について共有しました。大学生が教職課程に期待していることと,大学で学んでいることのギャップについて学部のゼミ生から当事者の意見をいただくことができました。

安藤さんはIBDPの地理カリキュラムの研究について発表しました。国際的なカリキュラムであるIBの特徴について地誌の内容がないなどの点を共有することができました。神田さんは現在の研究関心を語ってくれました。関心の中核には「レリバンス」があるそうで,夏休みは,ブルーナーやデューイ,本田由紀の書籍を通じてレリバンスについての理解を深めることを決意表明してくれました。【文責:今井祐介】 

2020.07.20

 本日のゼミは,小栗優貴(D2)と鈩悠介(D4)の発表。小栗の発表では,博論の構造・ICCS調査を応用したアンケートの構成・他者への研究の伝え方が話しあわれました。鈩の発表では,昨年度まで行ってきた「歴史的意義」の相対化・メタ認知を目指すアクション・リサーチの「アクション」を参加者で分析していきました。
 草原ゼミ生の研究は,社会科や市民性教育という点では繋がっている一方で,アプローチ・研究対象・・・はかなり異なります。そのため,ゼミ生の前で発表をすることにより,欠けている視点や論理矛盾に気づくことができます。欠けている視点や論理矛盾を「問題・悪」と指摘するだけではなく,どう乗り越えていくのかまで議論をしていくため,研究が発展していきます。そうした建設的な場は,知的興奮を覚えます。本日は,そんな草原ゼミを象徴するようなゼミナールでした。【文責:小栗優貴】


2020.07.13

 本日のゼミはD3の守谷、D4の鈩が発表を行いました。ともに、広島大学教育学研究科紀要に投稿した原稿を検討し、現在の進捗状況などを合わせて議論しました。
 守谷の発表題目は「社会科カリキュラム・教科書開発者はいかに自己主導的に学習するか:カンボジア教育省のマニュアル執筆研修」でした。議論の中では、インタビューから得られたデータのコーディングに用いる概念について再検討することなどの提案がなされました。
 鈩の発表題目は「海外日本人学校生徒は国内の子どもと異なる歴史的意義の判断を下すのか」でした。博士論文に本論文を位置付けるにあたって、結論部分をより大胆なものに修正する必要があるのではないかなどの提案がなされました。


2020.07.06

 本日のゼミはD2の小栗、宅島が発表を行いました。翌日以降に実施される博士論文の特別研究での発表に向けて、現在の進捗状況や課題についての議論がなされました。
 小栗の発表では、「学校教育のどのような経験が子どものengagementを促進・抑制させるのか?」についての量的調査で使用する質問紙について検討しました。中学校および高等学校への配布を控え、「特活」や「社会問題」などいかに生徒に伝わる表現にするか検討し、いよいよ調査開始となります。

 宅島の発表では、生徒が行っている「作問活動」へのフィードバックコメントの影響について、複数の生徒の事例をもとに成果と課題を検討しました。いかに社会科の文脈に落とし込んだ分析が可能か、今後の課題が明らかになりました。
【文責:宅島大尭】


2020.06.30

本日のゼミは加藤隼哉、吉田純太郎(共に学部4年生)が発表を行いました。加藤は卒業論文に向けて現段階での想定している問題意識や研究手法について発表しました。問題意識である教師の自己修養についての論点の整理や章立て、などついて検討がされました。特に教師にとっての自己修養や市民参加とはなんなのか?が論点となりました。吉田は質問紙調査について構成の趣旨、計画について発表し、特に質問紙の内容や表現の工夫などについて検討、助言がなされました。

自分の問題意識と研究が正しく理解されるためには、論点を明確化し、整合性を取っていく必要がることに改めて気づかされました。また、ひとつひとつの言葉の表現にも気を配ることも求められます。今後、本格的に論文をまとめていく際に、気を付けていきたいと思います。【文責:山本康太】


2020.06.23

本日のゼミはM2の渡邉・孫による発表でした。共通して問題となったのは,発表内容が修士論文の全体においてどのような位置づけとなるのかということです。渡邉の場合,昨年からの発表では歴史的思考の概念に注目していたのに,今回の発表内容は概念についての発表ではなく研究者の教育観の変遷のような内容になっていたことが問題となりました。また,孫の場合は発表で取り上げている一地域と全体との関係性,知識の構造図の何に言及すべきか焦点化できていない点が問題となりました。

一回一回の発表に集中していると,ついつい全体を見失いがちになってしまうということに気付かされました。これまでの発表内容との整合性をはかりつつ,修士論文の完成に向けて構成を整えていく必要性を痛感する回になりました。【文責:渡邉竜平】




2020.06.16

 博士論文の全体像をパワーポイントで発表しました。ドクター院生を除く現ゼミ生は初見だったため、私の方から自由で素直で率直な意見・指摘をするようにお願いしました。
 発表をつくる中で私の博論は「カンボジアを事例に国際教育開発における、教育の専門家を育成する、研修の開発的・実証的研究」だと整理でき、それぞれの意義を伝えることを大切にしました。「教師→学習者」という一方向のあり方から「教師⇔学習者」という双方向のあり方へ変革し、学習者が自律的に学習できるよう、国際教育開発という「日本⇔カンボジア」、研修という「研修者⇔学習者」で体現しようとしていることは伝わった感覚が持てました。フロアからは「コロニアリズムを乗り越えた教育活動は実際にできているのか?」「なぜカンボジア?」「あなたのアクションの立場は?」「なぜ成人教育論?」「継続性は?」など、鋭い痛み・鈍い痛みがぐさぐさ・グリグリ。

 カンボジアの万能内療法”コクチョール”のようなゼミでしたが、2時間以上かけて、参加ゼミ生の全員からコメントを頂けるという大変貴重でした。私の研究に熱心に耳を傾けてくださった草原先生・ゼミ生の皆さんに感謝です。一つ一つしっかり向き合います。そういえば今日の午前中に読んだD. Hessの論文で、論争問題を議論する教室では「まず教師は生徒をリスペクトする必要がある」と書いてありました。まずは自分自身の言動や行動を常に省察・メタ認知し、私が「支配-従属」を乗り越える姿を実践することが、研究の最終的な出来栄えを左右する。そんな気がしました。
【文責:守谷富士彦




2020.06.09

本日のゼミでは,EVRI(教育ヴィジョン研究センター)作成の映像教材「社会科教科書の執筆者からの挑戦状」に対して寄せられた回答(国旗編領土編ニュース編)について検討しました。子どもたちの調べ学習の成果からは,彼らが抱いている興味・関心や,彼らの自由で多様な発想の実態が伺えました。それぞれの回答を十分に考察するとともに,市民性教育の観点から,彼らの学びを豊かにするためのアドバイスを議論しています。私たちは、以下のアドバイスを考えました。国旗編アドバイス・領土編アドバイス・ニュース編アドバイス

また,今回のゼミから学部3年生が参加しています。新たに草原ゼミへ加入したのは正出七瀬,津田晃希の2名です。教育実習を控えた彼らに良い刺激を与えるためにも,学部4年生は優れた研究成果が出せるよう尽力いたします。【文責:吉田純太郎】




2020.06.02

本日のゼミは、小栗優貴・宅島大尭(共にD2)の発表でした。両者とも調査研究を軸に博論を進めています。小栗の発表では「学校内における民主主義とはかけ離れている場面」「学校内における民主主義的場面」を皆さんで議論しました。この議論をもとに質問紙を開発していきます。宅島の発表では、これまでの調査の介入方略を検討。また、子どもの学習改善を社会科の目標と子どもが持っている目標の両者からどのように保障していくのかについて議論がなされました。

草原ゼミの皆さんは、市民性教育を軸にしながら多様な研究をしています。皆さんが持っている多様なレンズが自分の研究に新たな光を与えてくれます。新たな可能性のもとしっかりと研究を進めていきたいと思います。【文責:小栗】




2020.05.25

本日のゼミは学部生(B4:加藤・吉田・山本)発表でした。学部生の視点から見た草原ゼミの強みの一つは「学部生から院生さんまで含めた熟慮がなされる」点にあります。発表にゼミ生それぞれの専門的見地に基づくフィードバックが加わり、研究が洗練されていきます。研究のターゲットや研究手法の有効性など、議論を通して自説の弱みを自覚し、次のステップへと進んでいく……。それはまさに知的なトレーニング過程と言えるでしょう。意義ある研究のために、そして充実した集団での学びのために、次の発表に向け一層身が引き締まる思いです。

また冒頭では、リニューアルされたゼミHPがお披露目。流動激しい時代の中でいかに自己演出していくか、研究ターゲットにより効果的にアプローチしていくにはどうすればよいか、など「IT時代の研究者の在り方」談にも花が咲きました。【文責:加藤】




2020.05.18

オンラインでのゼミもだいぶ慣れてきました。本日は、鈩悠介さん(D4)と孫玉珂さん(M2)による発表。鈩さんは、これまで行ってきた「歴史的意義の相対化」を目指した実践を発表。それをもとにみんなで再デザインをしていきました。今回は、zoomのブレイクアウトルームも活用。いつもより、多くの意見がでた気がします。孫さんの発表では2004年版と2019年版の中国社会科教科書をアフリカに注目しながら分析し、国家政策の変化が社会科教科書にどのように影響しているのかを分析しました。

ディスカッションでは、分析結果をどのように論じていくかが議題に。学会発表では限られた時間の中で伝えていくことが求められます。それを見据えて、論理の組み立て方について、多様なアイデアが出されました。【文責:小栗】




2020.05.11

本日のゼミは、渡邉竜平くん(M2)と山本康太くん(B4)による発表。渡邉くんは、翌日に修士論文の中間発表会を控えていました。そのため、発表会を意識したゼミを行いました。カナダの「歴史的見方・考え方」の構築性を扱っている渡辺くん。発表に向けて理論的な構築性を扱うのか実践的な構築性を扱うのか論点を絞っていく必要性が話合われました。また山本くんは、社会科の分化・統合を研究しています。

今回は、勝田・梅根論争を中心とし、それぞれが社会科や教科をどのように捉えているかを検討しました。自分自身の教科の捉え方を相対化する良い機会となりました。【文責:小栗】




2020.04.27

本日のゼミは、宅島大尭さん(D2)・孫玉珂さん(M2)・渡邉竜平さん(M2)の発表でした。宅島さんは、「子どもの学習改善につながる社会科の評価とはどのようなものか」という問いのもと研究を進めています。本日の発表では昨年度行った予備調査に基づき、今年度の調査計画を発表しました。孫さんは、2019年度版の中国社会科教科書におけるアフリカの描かれ方を発表。

また渡邉さんは、カナダの歴史的見方・考え方がどのようにして教室に取り入れられようとしたのかを分析し、発表しました。研究の新たな方向性や可能性を教科書・歴史的事象の具体をもとに議論することができました。【文責:小栗】




2020.04.21

本日のゼミは、小栗優貴さん(D2)・加藤隼哉さん(B4)・吉田純太郎さん(B4)の発表でした。小栗さんは、IEAが行っている世界的な市民性調査をレビュー。今回は、市民性の一分野attitudeに関して発表しました。加藤さんは「学びづらさ」を抱える子どもたちに注目した市民性教育研究のレビューを行いました。吉田さんは、外国を含めた「政治的中立性」研究のレビューを通して日本で用いられる「政治的中立性」を相対化していました。小栗さんの発表では、ICCSが志向する市民性教育のデザイン原則を導くまでの過程を見える化していくかが議論になりました。

加藤さんや吉田さんの発表では、先行研究の理解をゼミ内で深めた後、皆で研究のデザイン・方向性を話し合いました。議論では、それぞれの「良い」市民性教育のあり方が異なり、論争的なゼミとなりました。【文責:小栗】




2020.04.14

本日のゼミは、M2による発表。間も無く修士論文の中間発表会を控えています。1人目は、孫玉珂さん。「中国の国家政策は教科書にどのような影響を与えているか」とという問いのもと研究しています。今回は、アフリカの描かれ方に注目し、2004年版教科書を分析し発表しました。2人目は、渡邉竜平さん。「カナダの歴史的な見方・考え方(日本とは少し異なる)はどのように構築されていったか」について研究しています。今回は、カナダの研究者がどのような社会状況に対抗して見方・考え方を作成していったかを取り上げました。

発表後の議論では、研究のターゲット・分析の妥当性等について話し合われました。分析の妥当性・複雑性をどのように見える化して示すかが難しいところです。隠れている外国の「思想」を明らかにしている2人にとって発表の場が妥当性を確認する機会となっていました。【文責:小栗】




2020.04.07

2020年度ゼミのキックオフ。新M1を迎え、新たなゼミの幕開けです。今年の新M1草原ゼミ生は、4名。共に研究する仲間が増えたことを嬉しく思います。コロナの関係でオンライン開催とはなってしまいましたが、我々の研究はとまりません。自己紹介がてら自身の進めている研究や興味のある研究について話し合いました。今年も楽しくなりそうな予感がしています。新年度、身体に気を付けながら研究頑張っていきましょう!【文責:小栗】

授業をつくる・教科を究める教師を育てる・新しい社会を描く

草原和博研究室

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