教職課程・現職研修カリキュラムデザイン基礎研究2021

教職課程・現職研修カリキュラムデザイン基礎研究では、以下の目標に基づいて、教師教育理論を学び、実践について考察していきます。→基礎研究シラバス(ver1.1)

(1)教職課程の学生が,専門職としての➀知識・能力の形成と②教育観・教科観の再構築を支援する方策を、具体的にデザインできる。

(2)専門職としての➀知識・能力の形成と②教育観・教科観の再構築を促進・阻害している諸条件を、文献の読解を通して考察できる。



2021.04.23

「教師の成長」はをいかにして語ればよいのでしょうか。教師教育研究において,①教師個人がもつ教育観・信念・アイデンティティの構築や変容から語るもの,②観察可能な行動としてとらえることができる教師の授業づくり・授業実践から語るもの,③個々の教師が置かれている状況や文脈,これらと①と②の関係性から語るものなどが考えられてきました。前回の授業では,「現職教師」の成長を主に②の視点から語る論文を検討してきましたが,今回は「教員志望学生」の成長を主に①(&②)の視点から語る論文を検討しました。

「大学での学びは現場に出ると使えない (そのそも大学で何を学んだっけ?))」という言説に代表されるように,「学生→教師」への移行過程において,大学での学びの「洗い流し」という現象が起こるといわれています。検討論文の著者である大坂は,教科指導法(特に社会科)での学びの「洗い流し」が「学生→教師」への移行過程に限らず,大学における4年間の教員養成課程の中でも起きる現象であること,教師への変容プロセスは決して一様ではなく様々なルートを経ること,これら2点を実証的研究から明らかにしました。さらに,ここで得られたデータをふまえ,教員志望学生が直面しうる「危機」を意図的・計画的に組織した教員養成課程のカリキュラムを提案していました。

 今日の報告を担当した髙見さんと野瀬さんを中心に,受講者が学部生の時に抱いた葛藤や直面した困難についての体験も共有しつつ,終始和やかな雰囲気で授業が行われました。(文責:河原)

2021.04.16

 いよいよ今回から受講者による発表が始まりました。今回の報告を担当された池田さんは課題論文のポイントを端的にまとめつつ,ご自身の勤務経験に基づく具体的なエピソードも交えながら報告をしてくださいました。

 今回の授業のポイントは大きく2つでした。1つ目は教師の成長(プロフェッショナル・ディベロップメント)をどうとらえるか問題,2つ目はその成長はいかにして起こるのかという問題です。今回の論文の著者は「教師の成長は子どもの変化をもって説明されるべきであり,子どもの変化を見取ることで教師は成長する」ということを述べていました。「教師教育の射程」の問題(教師教育を教師教育者・教師の2者間で語るのか , 教師教育者・教師・子どもの3者間で語るのか),教師の成長プロセスの捉え方・研修アプローチ(「従来のモデル」VS「オルタナティブ・モデル」)について,参加者の間で議論を深めることができました。(文責:河原)

2021.04.09

 第1講が対面・オンライン形式を併用して行われました。まず草原先生から授業目的や計画の説明があり,次に受講者から授業への期待・意気込みが語られました。

 今回の授業では「日本の教師教育者とは誰か」「教師教育者のペダゴジー」について考えました。日本における教育制度・文化の中で「教師を育てる人」とは具体的に誰で,その人がもつべき専門性とは何なのでしょうか。教師教育者が教師を支援することと,教師が子どもを育てるように育てることと同じなのでしょうか?これらは教師教育について考える上で根本的な問いの1つであるいえます。

 本授業を通して,私たちはどう変わっていくでしょうか?変わらないでしょうか?私たち自身のことも振り返りながら,これから文献を読み進めていきましょう!(文責:河原)